東方異幻騒 TARGET:2 チルノ&大妖精

「破楽、ねぇ」

幻想郷の一部の異変の監視も八雲紫の仕事である
博麗大結界に少しでも関連する、幻想入りや幻想郷の理論に関する異変だ
破楽修酔、彼女も立派な監視対象だ


久々に山から下りてきた修酔は、近くの湖に来ていた
朝の日差しがひんやりした空気を光らせていた
たしか、ここには妖精がよく来ていたはず
妖精、なかでも氷精と呼ばれているヤツ
頭が若干アレだって聞いたわ
まぁ、妖精なんてみんなそんなもんだけど

「おっ、ウワサをすれば・・・」

湖の向こう、木々の間に二人の人影が見えた
今回のターゲット、氷精チルノと、もう一人・・・多少力のあるただの妖精みたいね

「だからさー! 勝ったんだって! その、だいだー・・・」

「だいだらぼっちね。本当に会ったの?」

「会ったんだってば! 最初小さかったのにいきなりぼわあぁっておっきくなって!」

「やっぱりなんか違うような・・・」

だいだらぼっち・・・懐かしい名前ね
もしかして私がこもってる間に出たのかしら?
いや、妖精の言うことだ。あまり本気にすべきじゃない
でも・・・今回のネタにはなるわね・・・
修酔はさっそく右手で念じた
まずは「耳」よ・・・

「ん? だいちゃん、何の音?」

「え? 何も聞こえないけど・・・」

しまった、もう一人の妖精を忘れていた
同時に二人分は無理・・・どうしようかしら

「なんか水がザザーってかんじの・・・」

「何も聞こえない・・・あっ!」

「なに!? なに!?」

「お、おっきな、おっきな影が・・・」

「どこ!? どこ!?」

「あっち! ほら、あっち!!」

「みてくる!」

チルノは大妖精の指差す方向へ勢いよく飛び立った
よし、なんとか氷精を引き離したわ
・・・ついでだからあのだいちゃんとやらにも・・・

「大丈夫かなぁ・・・ん? えっ、えっ、えぇーっ!?」

大妖精が見ているのは、目の前の湖から表れた巨大な影だった
この手の幻は「耳」と「目」だけでいいから楽だわ

「わ、わ、うわわわー!」

おびえきった妖精は一目散に林へと消えていった
ふふっ、原点に帰った悪戯らしい悪戯だったわ
あとは・・・
修酔はチルノの向かった方向へと向かった

「んん?? なにもいないなー」

首をかしげる氷精の前に、修酔が降り立った

「こんにちは、氷精さん」

「なぬっ、だれだお前!」

「だいだらぼっちを探してるんでしょ?」

「なっ、どうしてそれを!」

「ふふふっ、だいだらぼっちはね、私の手下なのよ」

我ながら結構なホラを吹いた
そういうのも悪くない。とくに、妖精が相手なら

「なんだと! ショーコをみせろ!
 だいだらぼっちはお前みたいなヤツよりもずっと強いんだぞ!」

大きさ=強さ、って考え方みたいね
まぁ、私自身だいだらぼっちと会ったことはないから強さは分からないけど

「いいわ、見せてあげる」

修酔は両腕を掲げた
「目」と「耳」よ

「出でよ! だいだらぼっち!」

「おぉっ!? 本当に出てきたな! だいだらぼっち!」

あれ、なにこの氷精
もしかして・・・やる気?

「いまいちど退治してくれる!」

「えっ、ちょっとまっ・・・」




「だいだらぼっちめ・・・恐れをなして逃げたな!」

氷精はそう叫ぶと意気揚々と飛び去って行った
修酔は、久しぶりに痛い目に遭った

「予想外だったわ。頭がアレなだけに発想もストレートだとは・・・
 しかも意外と・・・強いし」

そのまましばらく湖のほとりに横たわり、空を見上げていた
遊んでいる間にすっかり夕方になってしまった
「遊ぶ」、か・・・

修酔は一つ、欲しいものができた気がした



TARGET:2 チルノ&大妖精 完遂・・・?