家を破壊され、新しい絵を探すために町へ向かうことになった
しかし果てしない荒野をどうやって越えるのか
諦めてこの砂嵐がやむまで待機するか?
どっちにしろ、こんな砂嵐の中にいつまでもいるわけにもいかない
何とかしなければ
この荒野を防壁沿いに進むと門がある
その門をくぐれば、このユーラ国最大の町、ムラウにたどり着く
「レイド、ひとまず嵐をやり過ごそう
この砂嵐の中を足で進むのは無理だ」
だが、町までも相当な距離がある
くそっ、こんなことならリーバー買っとくんだったな
リーバーとは、いわゆる「車」だ
車とは少し違って、タイヤが大きく、
ボディも丈夫な為、このような荒野を抜けるには最適な乗り物である
いまや技術の進歩で、大型二足歩行兵器も実戦投入されようとしている
そんなことより今は、この状況をどうすべきかだ
「やり過ごすにしてもだなぁ・・・」
悩んでいると、一台のリーバーが後ろから走ってくる
それにすぐさま気づき、レイドは大声で呼び止めた
するとリーバーはまるで、はじめから止まるつもりでいたかのように、
すんなりととまってくれた
中から威勢のいい声が聞こえてきた
「なんだ? 町に行くんなら喜んで乗せるぞ?」
レイドは神に救われたような気持ちだった
まさかこんなところをリーバーが走っていて、
しかも町に行くところだなんて
「二人でもだいじょぶかー!?」
「ああ! あと五人はいけるぜ! おれのリーバーはでかいからな!」
風が強くなり声が聞き取りにくくなってきた
レイドたちはリーバーに乗り込みやっと一息ついた
「君ら、名前は?」
男性はなれた手つきでリーバーを操作し、
後ろに尋ねた
「俺はレイド、でこっちはゴウだ」
「へえ・・・おれはポジーっていうんだ、よろしくな!」
ポジーと名乗るその男の表情には、
不安、恐怖や疲れなどのネガティブな感情は感じ取れない
まさにポジティブな感じだ
親がこの性格にちなんで付けた名前なんだろう
「ほら、見えてきた見えてきた」
彼の指す先には、砂嵐にまみれてうっすらとしか見えないが、
確かに門があった
「ハハッ、やっぱリーバーは便利だわ」
「おれのはただのリーバーじゃないぜ、
特別にチューンナップされたスペシャルリーバーだ!」
ゴウは勘弁してくれとでも言うかのようにため息をついた
そうこうしているうちにリーバーは門の中へと入っていった
「やっぱり広いなあ〜ムラウは〜」
そこは、たくさんの人が行き交う、まさに市街であった
しばらくはここで情報収集しながら、
次のことについて決めなければならない
「っしょっと、ありがとな! たすかったぜ!」
「ああ、また会おうぜ!」
そういうとレイドたちをおろしたリーバーは去っていった
「まずは宿探しだな」
「金はあるのか?」
「任せておけ、俺にはかつておっさんと集めまくった宝石がある
これを売れば問題ない!・・・・たぶんな」
ゴウの不安は増すばかりであった
第九話に続く・・・・