GOD BLADE 第七話〜破壊の波動〜

甲高い機械音が鳴り響いた
それは、ディンがくれた通信機のものだった
レイドは重い体を起こし、
おぼつかない足取りでガラクタに埋まっていた通信機へ向かった
だが、使い方がよく分からない
さっきからずっと着信音が鳴っている
それしか分からない

「えっと・・・・ええ・・・これか・・・?」

独り言を言うのにも体力が減るような気がした
ふと目に入ったボタンのようなものを押してみる
それからゆっくりとヘッドホンをつけてみる

「ええ・・・・もしもし・・」

『レイド! 今すぐ逃げろ!』

ヘッドホンから眠気も吹っ飛ぶような大きい声が聞こえる。

「え・・・・と、どちらさまで?」

『バカッ!! ねぼけてんじゃねえっ!!』

力のこもった大声で眠気がすべて吹き飛んだ

「わっ! わ・・・わりい! さっきまで寝てたんだ・・・で、なんだ?」

ディンの呆れ顔は、ヘッドホンから聞こえるため息だけでも十分想像できた
そして一秒立つかの間にさっきの威勢が戻って来る

『あと五分以内に家から離れろ!!』

「なんで?」

いつまでたっても状況を把握できそうにないレイドの口調に、
彼はもう呆れる気も失せてしまったようだ

『いいから早く!相方にも伝えろ!』

「わ、わかった!」

レイドはラボからマシンガン、小型のガトリング、
その他いろいろを身につけ、ラボを飛び出そうとした
が、そのとき、一つ忘れていることに気がついた

「ライは!?」

ライの姿が見えない
どこに行ったのか、想像がつくわけもない

「ライ! どこだ! なんだか知らんが逃げるぞ!」

返事はない
無論、テレパシーによる返答しか考えられないが、それも感じられない

「なんだ? 大声なんか出して」

ゴウがレイドの声を聞きつけ、二階から降りてきた

「おっさんから通信があって、早くこの家から逃げろって!」

ゴウは困惑の表情を見せた
さっぱりわけがわからない

「なんだかしらねえが、ここから早く逃げるぞ!」

とりあえずよからぬ状況のようだ
レイドの手に握られている通信機から声が響いた

『いいか? とにかく遠くまで離れるんだ!』

とりあえず家から出よう
ライはそう簡単に死んでしまうような気はしない

そのとき、空から鳴り響く轟音が家を振動させた

「なんだ!?」

「家から出るぞ!」

『もう間に合わないかもしれないが、早く走れ!』
「いったい何があるってんだ!?」

通信機の先で戸惑うのがわかった
そして少しすると、真実を告げた

『・・・ミサイルだ』

理解するのに一瞬必要だった
ミサイルだって? 何だってそんなものが・・・
困惑しながらも外に飛び出す
空にはすでいくつもの影が見える
あの距離じゃ間に合わねぇ・・・!
一か八か、背中にかけていたガトリングを構えると、
狙いを定めてミサイルに弾丸を浴びせた

「これでミサイルを破壊する!」

『無理だ! あれの装甲は貫けない!』

そう思ったときにはもう既に脅威がすぐそこまで来ていた
くっそぉ!!
ミサイルがまばゆい光を放った
すると、ディスフェンスの三分の一が新たな荒野と化した


・・・・・・


生きてるのか?
俺は・・・まだ・・・

「・・・・イ・・・!レ・・・・ド!」

かすかに聞こえたその声は、確かにゴウのものだった

「レイド!」

「ッ! いだっ!」

いきなりバッと起き上がったため、瓦礫に頭をぶつけた

「いでえ〜」

「レイド! 無事か!」

この状況はあまりにも非現実的だ
周囲は人工的な煙が立ち込め、何もかも消し飛んでいた

「は? 何で?」

「俺が知る訳ないだろう」

そっけない返答にレイドは口をとがらせた
気がつくと、首元が温かい
ふと目をむけると、そこには小動物がちょんと乗っていた

「まさか・・・おまえが守ってくれたのか?」

ライは答えなかった
疲れているのか、俺はもうすでにその答えを知っているのか
それは分からないが、確かに自分は生きてた

「にしても、あ〜あ。俺たちの家が」

(イクゾ・・・)

「は? なに?」

(アタラシイエヲサガサネバ)

「お前が言うのか」

とりあえずライの言うことは正しい
誰がミサイルを撃ったにしろ、ホームレスになる気はない
行くとすれば、少し先の町、ムラウだ
レイドたちは新しい家を求めて、砂煙の中を進んでいった


第八話に続く