GOD BLADE 第五話〜覚醒〜

レイドは必死だった
生き残ることで精一杯で、
自分がどういう状況なのかもわからずにいた
そう、半分になったナイフが数歩離れた先の敵を切り裂いていることにも

「・・・」

目の前にさっきまでいた暗殺者はもういない
どうやら助かったようだ

「ふぅ・・・・」


・・・数分前・・・


ディンに別れを告げ、洞窟から出たその瞬間、
閃光の刃が目前に現れた

「!?」

かすかな痛みを感じながらも、何とか横にそれて追撃をかわす
周りには機械のスーツに身を包んだ、
感情のない冷たい目線が並んでいた

(なんだ!?)

その機械の手には、先ほど自分の頬に傷をつけたビーム状の剣が握られていた

(やるしかないのか?)

相手の動きから目を離さずに腰のハンドガンを引き抜いた
戦闘の基本は身についているが、それは人間を相手にしたときのものだ
やるしかない
何もせずにやられるよりは
小さな見込みに頼らなければ

レイドはそう感じていた。
そう考え終わるか終わらないかの内に、
機械兵の一人が飛び掛ってきた
すかさず身をかがめて一撃をかわし、引き金を引く
鉄パイプが外れるような金属音がして、銃弾がはじかれた

「!?」

銃弾が効かない!?
ハンドガンを投げ捨て、ナイフに持ち替える
そのとき、ひときわ大柄な機械兵が詰め寄ってきた
高くジャンプして突進をかわした

(駄目もとだ・・・!!)

ナイフで反撃を始めた

ビームソードをかわし、巧みにナイフをぶつける
そのたびに手に鈍い振動が伝わる
効いていないのは確実だ
だが、何もせずにただ殺されるのはプライドがゆるさない
そのうち振動で手が痺れてきたのか、斬りつけてもてごたえがなくなってきた
回避をするたびに汗が飛び、ナイフを握った手は真っ白になっている
そのうち我を忘れ、生き残ろうとする本能だけで動くようになった
必死で何もわからずに


・・・現在・・・


彼は自分がぼうぜんと立っているのに気づいた

(俺は一体・・・?)

ライが肩の上に乗っている

「? ・・ラ、ライ、俺はどうしたんだ?
 突然何かに襲われて・・・・」

(ヤハリマチガッテハイナカッタヨウダナ)

疲れているせいもあって、これ以上の謎はやめてほしいと思った

「何のことだ?」

ライは冷静に話し始めた

(オマエハ“テキオウシャ”ダ)
「て、てきおうしゃ?」

(“ゴッドブレード”ヲモツモノハミナソウヨバレル)

「なんだ? そのゴト・・・何とかって。」

ライは相変わらずマイペースだった

(オマエノイエデオシエルトイッタロウ)

レイドは納得いかないようだったが、
いまはただ早く休みたいとだけ考えていた



第六話に続く